6月9日 聖エフレム

聖エフレム     あわれみの賛歌

(エフレムの賛歌)
あなたが私たちに与えてくださる宝は、ご自分にとってはどうしても私たちに分け与えなければならないものではありません。あなたにはただ一つの必要事しかありません。それは、あなたの善を身につけるために私たちが自己の意志をおゆだねし、あなたに耳を傾け、自分の心を広げることです。
あなたのすべてのみわざは、「すべてはきわめてよい」と仰せになったときにお口から出た知恵で飾られた冠で輝いています。あなたへの私たちの賛美も、あなたからいただいたものをおささげしているのです。
御子は私たちの栄光のために私たちの肉体を取られましたのに、私たちは、その同じ肉体において、御子を連行し、裁判にかけ、死刑に処してしまいました。
しかし、あなたの正義は私たちの自由を悪の手からあがなわれました。そしてこの自由は、創造主のご計画によって、広められ、私たちの勝利の輝きをいや増しました。私たちが神の国の飾りになれるようにと、神は私たちを燃える炉で苦しめたのち、まったく美しい状態に導いてくださるのです。
おお、すべての人に遣わされ、注がれたありれみよ!このあわれみは、あなたのうちにとどまっています。そして、私たちの主よ、あなたはすべての人をいつくしまれ、ご死去によって人々を出迎えに来られ、ご自分のあわれみの宝を人々に聞かれました。
私たちは、あなたの普遍の愛ゆえに万物においてあなたを礼拝します。
この世界に私たちを置き、世界内の万物を私たちに治めさせ、私たちには即りえないある時刻に世界から私たちを呼び戻されるあなたを礼拝します。
あなたに祈り求めることができるようにと、私たちの口にことばを授けられたあなたを、私たちは礼拝します。アダムは平和のうちに憩い、彼の子孫とともにあなたに歓呼の声をあげます。すべての人は、あなたの恵みをいただく者だからです。
風は水しぶきを上げるとき、あなたを賛美しています。大地は、ふところを開き、季節に実をもたらすとき、あなたをたたえています。海は波のとどろきによって主の支配を告げるとき、あなたをたたえています。木々は、風にそよぎ、花を咲かせ、実を結ぶとき、あなたをほめたたえています。さまざまの植物、いろいろの花は、潤いの雨と露にぬれるとき、あなたを祝して歌っています。あなたにいつくしまれた花々が集い、互いにすすめ合い、むつまじく声を合わせて、あなたをほめたたえますように。すべてが協力して、賛美の合唱をおささげしますように。
それゆえ私たちは、意志のすべてをあげてあなたに心を向けまし。う。また、あなたは、ご自分の充ち満ちたところから私たちにいくぶんかを注いでくださいますように。それは、あなたの真理が私たちを回心させ、こうして、あなたの賜物なしには賜物の与え主であられるあなたのみもとにたどり着けない私たちの弱さが消えうせるためです。

祈願
筆舌に尽くせない神よ、
聖エフレム助祭は、聖霊の息吹を受けて
救いの神秘の美しさをほめ歌い、
生涯をささげ、あなたに仕えました。
私たちの心にも同じ聖霊の息吹を注いでください。