5月1日 聖ヨセフ勤労者

聖ヨセフ勤労者  《まことにあなたは隠れた神》

ヨセフよ、沈黙をわれらに(ポール・クローデル)

道具をしまい、一目の仕事を終えるころ、
カルメル山からヨルダン川まで、麦畑に夜のとばりが下り、イスラエルが眠りに入るとき、ヨセフは、かつて少年だったころ、迫る夕闇に読みつづけられなくなったときのように、
ほっと一息つくと、深いあこがれをもって神との語らいに入る。ヨセフは知恵を選んだ。そして知恵は彼を伴い、彼と契りを結ぶ。露のおりる時刻の大地のように、彼は黙している。豊かな夜のしじまに、喜びと真理にあふれて幸いなヨセフ。マリアはヨセフのものとなり、彼はマリアを何くれとなくいたわる。自分が独りではない、と一朝一タで悟れたわけではない。しかし今や、賢く父らしい心のすみずみまで、一人の女性に占められている。もう一度、エワとともに楽園にいるのだ!だれもがあこがれるあの顔が、優しく素直にヨセフに振り向く。ヨセフはマリアとともに、マリアは御父とともにいる。
そして私たちも彼らとともにいる。人間理性を超えたみわざをされる神がとどまられるように、と。
神の光が私たちのともす火で、神のことばが私たちの立てる騒音で、かき消されることがないように。人が消えゆき、み国が来るよう、み旨が行なわれるように。私たちも深い悦楽をもって原始の幸いを再び見いだせるように。海が凪となるように、そして、最良の部分を選んで古いイスラエルの逆らいを終わらせたかた、マリアが働き始められるように、と。
内面の人、太祖ヨセフよ、沈黙を私たちに得させてください。

祈願
主よ、私たちをあなたのみ声と沈黙に和す者とし、
あなたの平和のことばである御子、イエズス・キリストを私たちに
聞かせてください。