5月31日  聖母の訪問

聖母マリアの訪問
《主が私にしてくださったことを
みな話しますから、お聞きなさい》

聖母の訪問(ポール・クローデル)
ヘブロンの祭司で、ヨハネの父、ザカリアは、今日の牧師かギリシャ正教の司祭のような人でした。祭司は妻帯を許されていましたから。きっと彼の家の裏にもささやかな庭があり、かぐわしい花が、ことに真夏には強く香る花々が咲き乱れていたことでしょう。そこにマリアが、山路をたどって、従姉のエリサベトに会いに行きました。エリサベトはマリアを見て、あら、と言い、マリアも、まあ、とひとこと言って会釈します。
エリサベトは、胎内の子が躍り上がったので、一目ですべてを悟りました。そして、老いた手を合わせて、「主の御母が私のところにおいでくださるとは、いったい、どうしたことでしょう」と小声で尋ねます。私もそこに居合わせて、すべてを眺めているような気がします。私は見ます、エリサベトの口が震え、涙があふれ出るのを。老いに手の届いた人々の、乏しさを知り、自己を卑下した心から湧き出る涙と、泣き笑いする顔を。エリサベトは泣いています。が、目には測り知れない喜びが浮かんでいます。洗礼者聖ヨハネの母が、私の神の御母を見つめているのです! 幸いなエリサベト!
あなたは、マリアが立って(最初のスタバトのとき)、神の永遠の知恵の歌、マグニフィカトを歌うのを聞かれます。あなたがたのように、私たちも今宵、ユダヤのこの小さな庭で、散策したいものです。すべてのカトリック者がするこのそぞろ歩きを。そして、罪に汚れた心を開き、すべてを打ち明けてから、自分の震える手のうちに、私たちの母マリアの指を感じることができますように。「恵まれたかた、マリア、主はあなたとともにおられます。あなたは祝福されたかたです」。

祈願
全能の主よ、
御独り子を宿したおとめマリアは、
聖霊に導かれて従姉のエリサベトを訪問されました。
私たちも聖霊のすすめに素直に従い、
聖母とともに、いつも賛美の歌を歌うことができますように。