1月27日 聖アンジェラ・メリチ

修道女たちへの遺言 (アンジェラ・メリチ)
自分に課された務めを果たすとき、ひたすら神への愛と人々の救いへの熱望とのみを動機としているという確信と良い心情とを、神の御助けによって獲得し、これを保つように努めなさい。あなたがたのすべての働きもすべての権威行使も、このように神と人とに対する愛にもとづいている限り、有益な、良い実しかもたらせないでしょう。なぜなら、私たちの主のみことばによれば、良い木、すなわち愛に生かされた心と精神は、聖なる善業の実しか結ぶことができないからです。それで、聖アウグスチヌスも、「愛しなさい。そうして、あなたの望むことを行ないなさい」と言われました。つまり、《愛は罪を犯しえない》と約言できる、と思います。
どうか次のことをお願いいたします。いつも、あなたがたの娘たち全員に心を配り、一人一人を心に刻み、その名前だけでなく、状態・気質・職務、その他、彼女たちにかかわるあらゆることを配慮してください。もし生きた愛をもって彼女たちを包容なさるなら、そんなにむずかしいことではないでしょう。なぜなら、母親というものは、どんなに子だくさんでも、その一人一人を心にしっかりとどめているものだからです。それは、まことの愛にかられているからです。子どもが多ければ多いほど、母親の子どもに対する心遣いは大きくなるかのようです。
まして霊的な母たちにとって、霊の愛は自然の愛に比べられないほど力強いものでありえますし、また、そうでなければなりません。ですから、あなたがたが生き生きとした愛をもってあなたがたの子どもたちを熱烈に愛されるなら、この子らをみな、しかもその一人一人を、かけがえのない者として記憶し、心にとめることができないはずはありません。
どうか、みなさんの娘たちを愛と柔和をもって、優しく導くように努めてください。命令的に、厳しく取り扱うことなく、何事においても親切にしてください。イエズス・キリストのおことばに耳を傾けてください。「わたしは心が柔和で、謙遜であるから、わたしに倣いなさい」。また、神について、「主は、力と柔和とをもって万物を処理し、支配される」とも書かれています。さらにイエズス・キリストは、「わたしの軛(くびき)は負いやすく、わたしの荷は軽い」と仰せになりましだ。したがって、あなたがたもこのように振る舞い、優しい愛情を注ぎ尽くすように努めなければなりません。まず、何事であれ、力ずくで達成したい、などと思わないように気をつけてください。神が人それぞれに自由意志を与えられ、だれに対しても無理じいすることをお望みにならないからです。神はただ、語りかけ、招き、勧めをお与えになるのです。

祈願
いつくしみ深い主よ、
私たちのために絶えずとりなす
聖アンジェラの祈りによってお願いします。
聖女の賢明と愛の模範に倣って、
私たちもいつをあなたの教えを守り、
日々の生活のうちにそれを証しすることができますように。